トンピン銘柄テリロジー(3356)が発行したMSワラントについて詳しく説明

日経平均株価が2万円割れの近辺をさまよい、今年の株投資は最後の一波乱で個人投資家も大変ですね。私もその一人ですが、いいかげんダウに合わせて爆売りするAIトレードシステム使用者は退場してほしいと切に願っております。
さて、トンピン銘柄で有名なテリロジー(3356)がMSワラント発行ということで、ツイッターでも話題になっています。
今後、この銘柄のゆくえはどうなるのか? そもそもMSワラント発行という事態はどういうことなの? という情報をまとめています。
Contents
トンピン銘柄テリロジー(3356)がMSワラント発行
自己株式を活用した第三者割当による第1回新株予約権の発行に関するお知らせ(行使価額修正条項付新株予約権(行使指定・停止指定条項付)の発行)
割当先がEVO FUND(エボ ファンド)と合わせて発表され、この通達を銘柄はストップ安となりました。
MSワラントはバイオベンチャーなど利益に繋がりにくい企業が使っていた制度
そもそも企業が資金調達をする場合、
1、増資
2、スポンサーからの調達
3、社債発行
これら3つの方法になるのがメインです。
しかし、上場企業ではない場合は投資家から資金を募ることが難しいため、銀行借り入れによる場合もあります。
(ここ数年はクラウドファンディングなども有名になりましたが、まだまだ諸外国に比べて、日本の法人は資金を集める方法が古い手法しか使えません)
昨今の日本のバイオベンチャーは、上場することにより研究開発に必要な資金を調達していました。バイオベンチャーの多くは、赤字が膨らんでいます。すぐに儲かる商売でもありませんし、2のスポンサー企業から資金を得ることも難しい。
そこで、バイオベンチャーの多くが資金調達の方法として選んでいたのが「MSワラント(Moving Strike Warrant)」です。
ここ最近では、[4563]アンジェス、[8914]エリアリンクや、[3966]ユーザベースがMSワラント発行を発表しました。
そもそもMSワラントとは?
MSワラントとは、企業の資金調達方法の一種
MSワラントとは、Moving Strike Warrantの略称であり、正式名称は「行使価格修正条項付新株予約権」。
これは先述の通り、企業の資金調達方法の一種です。
新株予約権に「行使価格修正条項」が付加されているものがMSワラント。これは株投資の世界では「悪材料」と判断されることが普通です。それはなぜでしょうか?
株主にとって、投資先がMSワラントを発行することはデメリットになる
MSワラントの発行によってそれぞれの立場の人が受ける影響をまとめました。
●発行企業
増資(新株予約権の発行)によって資金調達できるので、メリットがある。
●引受先
確実に儲かるシステム(詳しくは後述)なので、メリットがある。
●株主
発行済株式数が増えることで株式が希薄化し、1株あたりの価値が下がる。引受先の空売りによって株価が下がる。つまりダブルでデメリットがある。
MSワラントの発行によってメリットを受けるのは「引受先」です。
引受先には、証券会社が選定されることや、第三者の企業が選ばれることもあります。
仕組みとしては、
1、企業が資金調達の方法としてMSワラントを選択する。
2、MSワラントを取得した引受先は、保有するMSワラントを「普通株式」に変えて市場で売却する。
3、ワラントが株式に転換されることで、企業は資金を調達できる。
MSワラントは「行使価格修正条項付」の「新株予約権」です。
対象企業の株価が上がっても、下がっても(行使価格がそれに合わせて修正されるので)、引受先は絶対に利益が出るシステムとなっています。
つまり、今後の株価がいくらになっても、引受先は、保有しているMSワラントを行使すれば「あらかじめ決められた株価で株式を得られる」となります。
通常の新株予約権では、行使価格は固定制です。しかし、「行使価格修正条項」が付いているMSワラントは、発行後の株価変動に応じて、行使価格を修正してもいいとされています。
MSワラントの発行例
●当初行使価格:1,000円
●行使価格の修正:株価終値の95%
●下限行使価格:500円
引受先は、株価がどうなろうと終値の95%(終値と比べて5%安い価格)で株式をもらえるので、絶対に儲かるのです。
MSワラントは発行企業にとって不利な条件
「引受先が必ず儲かる」ということは、発行企業にとっては「条件が悪い」となります。
発行企業は、MSワラントが行使される価格によって調達金額が異なります。
●MSワラントの発行後、株価が上がった場合は?
→引受先が高値で権利行使をした場合、その分、調達できる金額は増えていきます。
●MSワラントの発行後に株価が下がった場合は?
→引受先が安値で権利行使をした場合、想定の調達額を下回る金額になってしまいます。
MSワラントで株価が下がるシンプルな理由
MSワラントの引受先は「空売り」をします。なぜなら引受先による「空売り」で株価の下落を減らしたいからです。
そもそも株主にとって、MSワラントは
1、新株発行による1株あたり価値が減り、株価が下がる
2、引受先による空売りで株価に下落圧力がかかってしまう
というダブルのデメリットがあります。
引受先がなぜ空売りを仕掛けるのか? それは、自分たちが損をしないように防衛するためでもあります。
現在の株価が1,000円として、行使価格の修正条件で終値の5%割引で株価を取得できるわけですから、引受先は株価がいくらだったとしても、時価の5%引きで株式を得られます。
でも、転換した普通株式を市場で売却すると、自らの売却によって株価に下落圧力がかかってしまい、5%の差益を満額もらうことができません。
つまり1,000円の株を950円で得られても、それを売ると株価が下がってしまうため、実際の金額はもっと下がってしまいます。
またMSワラントを普通株式に転換した瞬間に、株価が10%など大きく下落してしまったら、引受先は損をしてしまいます。
MSワラントは引受先に有利ですが、実は権利行使して市場で売却するという方法は、けっこうリスキーでもあるのですね。
したがって通常、引受先はこのような方法で権利行使をしないのです。
そしてその方法として引受先は、このリスクを取らないように「空売り」を仕掛けます。MSワラントの引受株数と同じだけの空売りをしておくことで、5%の利幅を満額得られるようになります。
MSワラントを普通株式に転換する前に、空売りを仕掛けておけば、それによって株価は100円以上値下がりするでしょう。でも、終値がどうなろうと、引受先は時価の5%割引で株式を得られます。
1、引受先が空売り
2、MSワラントの権利行使(株価がいくらでも5%の差額が利益)
3、取得した普通株で借りた株を返済
このシステムで、しっかり5%の儲けが出ます。
MSワラントの発行によって、1株あたりの価値が下がる=株価が下がる。+引受先の空売りによって株価が下がる。
これが理解できていれば、MSワラントを発行した企業が今後どうなるかの予測が何となくわかるようになります。
株主にとっては、ある意味では投資先に増資があるので、前向きな材料として捉えてもいいかもしれません。しかし下落しないことはかなり可能性が低いということです。
MSワラントは発行する企業にとってかなり分が悪い資金の調達であること、極端なことを言ってしまえば、倒産するかもしれない企業が使います。
引受先がちゃんと儲かるような条件でないと、どこだって新株を引き受けてはもらうことができません。
テリロジーのMSワラント発行についてツイッターの反応
MSワラントを発行する時点で経営陣が
・自社株を割高だと考えている
・投資家は財布だと考えている
この二点が確定的。
トンピン氏がMSワラントを阻止しようとしたところで会社は
『 単なる財布だからガタガタ言うな』
『割高な株価まで吊り上げたくせに株券刷るなとか無茶言うな』
しかないと思う。— たーちゃん@アッパーカット (@yhdgj675) 2018年12月21日
MSワラントって、
昔はMSCBだったよね。
一度MSCBを出した会社は繰り返し発行してた記憶がある。
あれは麻薬みたいなもんで、本業で頑張るよりも簡単に現金が手に入る味が忘れられなくなるんじゃないかな。
MSCBは死亡フラグってのは有名な話です。— たーちゃん@アッパーカット (@yhdgj675) 2018年12月21日
MSワラントが理解できないまま、テリロジー(3356)を買っている人はリスクが高いといえます。
トンピンこと山田氏は、今回のMSワラントについて、中止を求めるように、書面を提出しています。
トンピン氏
これでワラント中止できたら
本当の神やわ山田さんマジで凄すぎる pic.twitter.com/M45n9NKfe6
— デンデ✴️降格中✴️(界王神) (@2vbdZKPzSQltHTQ) 2018年12月21日
トンピン氏が過去に取り扱っていたニチダイ(6467)や杉村倉庫(9307)は軒並み下落しました。
特にニチダイ(6467)は3月26日に急落し、トンピン氏の保有割合が5.63%から3.02%に-2.61%減少。
トンピン氏はプロの相場師。これを前提に、テリロジー(3356)もトンピン氏がどこまでホルダーとなっていてくれるのか、希望的観測ばかりするのはリスクが高いでしょう。
テリロジーのMSワラントを的中させたツイッターアカウントが話題に
テリロジーは
キャッシュフローヤバイぞワラント来る前に逃げとけよ
— 売り豚ウーロン様 (@1QH0bZtmFlR9zRC) 2018年12月17日
これからもドンドン先読み当ててやる
— 売り豚ウーロン様 (@1QH0bZtmFlR9zRC) 2018年12月20日
超初心者は弱者と思え
金魚の糞で勝てるほど相場は甘くない
最初は皆、雑魚からスタートや
雑魚の期間が一番おもろいんやけどなめちゃくちゃやって勝てる時もある
ベテランが勝てる訳でもないが
トレード回数を繰り返すと実力が出てくるだけ— 売り豚ウーロン様 (@1QH0bZtmFlR9zRC) 2018年12月23日
この「売り豚ウーロン様」がどのような人かはわかっていませんが、何らかの事情を知る立場の投資家なのかもしれません。
今回はテリロジーが行使したMSワラントについてまとめました。ご参考になれば幸いです。
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